TNA専門blog 拙訳版TNA情報局
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TNAのコスト削減案に対する所感
 先日のTNAが発表したとされるコスト削減案について、リクライナー様よりコメントを頂いておりましたが、お返事がどうしても長文になってしまう上、今後のTNAの活動を見ていく上で重要な転機となり得る問題であると思い、お目汚しとは思いますが、個人的な所感を記事として掲載させていただきます。純粋にニュースブログとして、ご活用いただいている皆様におかれましては、はなはだ不愉快かと存じますが、お付き合いいただければ幸いです。


 さて、今回の件が実行されれば、ミリオンダラーチャレンジもそうですが、TNA幹部職員に対しては元より、カートアングルを筆頭とした、ギャラの高い移籍組の選手たちに対する反感が強まりそうです。
 アンダーカードのレスラーは、ギャラが安くても、会社が大きくなれば条件がよくなると思っていたはず。それが、WWEからの転向者においしいところを持っていかれたと感じてしまえば、TNAにとって決してよい結果は得られないでしょう。派閥のようなものができてしまう可能性もありえます。今回のコスト削減案の発表は、タイミングが悪いと感じざるをえません。

 一方で、組織としてドラスティックな改革が必要な時期なのも事実。人気の無いタレントを切ることは、プロレスがショービジネスという、就職希望者の多い非生産的事業であるからには避けられない事態です。情にすがって地位が与えられるほど、夢を追う仕事と言うのは競争率が低くないはずです。

 ジェフジャレットが、一時TNAから離れている事の真意は、もしかするとその辺りにあるのかもしれません。今回の案を端緒として、その他の改革案が次々と示されたなら、ジャレットの威光にすがりつくものも少なからずでるでしょう。そのために、彼らとの接触を避けている。あるいは、誰かが悪者となって改革を進めた後で、ジャレットを復帰させることで、社内にわだかまりを残さず、反感を買う改革を一気に推し進める。と言う狙い。

 では、ジャレットとの旧交の為に登場し続けている、ケビンナッシュを切れば、反感を一掃できるかと言うと、そうは思いません。今の彼はアルバイトのような感じでしょうから、今さら彼の登場機会を奪っても、経営戦略上は無意味だと思います。悪の大将を倒してしまえば全てが丸く収まるなんて勧善懲悪はプロレスの中にしか存在しません。そもそも、彼が大将ともなりえないでしょう。
 私がナッシュを嫌っているのは事実ですし、彼のカットは番組制作という戦術レベルでの意義はあるとも思っていますが、今回の件と結びつける事はできません。
 ただ、ジャレットとの旧交のみを頼りに、TNAという企業に対し給料分の仕事ができない人物が居座る事になれば、全ての関係者に対し不公平感を与える事になります。やるなら徹底的にやる必要があるでしょうが、その最初のターゲットはTNAの幹部役員であるべきです。
(もし、今の状態でTNA上層部にリストラの手が及ばず、ケビンナッシュのみが切られたとしたら、ナッシュを旧勢力のシンボルとしてカットしてみせ、末端社員やアンダーカードのレスラー達の反感から目を反らす目的に利用したと考えます。それはあまりにも卑劣な自己保身ですので、そのような事だけは無いように願っています。)

 実は、本当の端緒はビンスルッソーの採用だったのではないでしょうか。マイクテネイ、スコットデモアらはクリエイティブチームを外され、実況、コーチといった本来の専門職に専念するようになっています。逆にビンスルッソーは、復帰後、一度もスクリーンに姿を現してはおらず、裏方としての存在を貫いています。
 ジェレミーボラッシュはTNAの第1回大会から参加している古参のメンバーであり、クリエイティブチームにも加わっていた幹部社員です。しかし、クリエイティブチームから外され、また、新たにレティーシャが採用され、彼の居場所は狭まりつつあります。
 それぞれの分野に専門家を配する事で、より洗練された番組作りを目指しており、中途半端な人材配置を廃するための人事とは言えないでしょうか。

 このような大きな動きがある中で、ミリオンダラーチャレンジを行った事はあまりにも軽率です。WWEやDXが一億円ごときに目の色を変えるわけがありません。発表自体はともかく、どうせ無視されるんですからハッタリで良かったはず。それを、チャリティに回すとか言ってしまい退路を断ったというのは、噂に流れた「ディクシーカーターは、VKMvsDXが実現すると本気で思っている」というのが事実だったか、もしくは、今のTNAにとって1億円くらいの支出は問題ないと主張していると捉えられるかのどちらかでしょう。コスト削減案やリストラを控えている状況でそんな主張をするとは考えられません。行き当たりばったりだったと捉えられても仕方がないでしょう。
 一億円の「広告費」がそれだけの効果を上げるという目論見があったとは思いますが、思惑は大きく外れたと現時点では言わざるを得ませんし、進行中の改革にも水を差しているという状況です。

 TNAの財政事情に決定的な影響を与えうるのは、やはりiMPACT!の2時間枠でしょう。これによる放映権料の拡大と注目度のアップに対する投資として、現段階での急速な視聴率拡大の為の支出。ミリオンダラーチャレンジやカートアングルへの厚遇は、2時間枠獲得後の収益増ありきで、無理に行われたのではないでしょうか。それとは別に組織改革が進められていたとしても、両者の時期が重なった為に、さも、アングルやミリオンダラーチャレンジの為に、選手たちへの締め付けが行われたと見える結果になってしまったのではないでしょうか。

 ただ、ミリオンダラーチャレンジは、うかつな一手としか言えませんが、事態の本質に迫る問題ではないと思います。いずれにせよ、いつまでも兼任と馴れ合いで番組作りを続けていくわけには行かないのですから。改革はすでに動き出していたとすれば、もはや退路はありません。引こうとすれば総崩れにもなりかねない上、これを境にズルズルと下降する可能性はさらに高いのです。一度やりかけた改革を撤回すれば、次のチャンスまで失ってしまいます。
 ドラスティックな改革の必要性を全社員に知らしめるためにも、まずは、幹部の襟元を正して見せることが必要です。デビッドペンザーを生贄にするというような事では逆効果です。下の者以上に上の者に厳しく対処する事ができるかどうかが改革の鍵となるでしょう。
 現段階がTNAの限界点で終わるのか、さらに高みに上っていける組織と成り得るのか。ディクシーカーター社長の真価が問われる事になりそうです。
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